Northern Rise 時事ネタオピニオン Vol.18

瀬川猛SC(スポーツコーディネーター)のスポーツ時事ネタ第18弾!

瀬川SC(スポーツコーディネーター)によるスポーツの時事ネタ紹介の第18弾をお届けします!

※8月21日から9月4日までの気になる時事ネタを日付順に掲載

目次

1.「スポーツ合宿控え続出」~コロナ対策徹底で新規開拓も~(岩手県版)

2.「東根山麓もっと楽しく」~アウトドアで活性化~(岩手県紫波町)

3.「ブルズ 矢巾に拠点」~中学校体育館改修 練習用として利用~(岩手県矢巾町)

4.「感謝胸に使い初め」~花巻東高女子硬式野球部 大谷選手寄贈マシン~(岩手県花巻市)

5.「五輪でメダル獲得期待」~花巻市長ボート日本代表を表敬~(岩手県花巻市)

6.「休日の部活 地域委託」~教員負担軽減へ文科省方針~(全国版)

【1】「スポーツ合宿控え続出」~コロナ対策徹底で新規開拓も~

県内の自治体や関係団体が近年、誘致に力を入れてきたスポーツの夏合宿に新型コロナウイルスの感染症の影響が広がっている。全国的な再拡大を受け、県外の大学や高校のキャンセルが続出。一方、感染対策を徹底することで県内や近県からの参加団体が昨年より増えた例もあった。合宿は地元チームの競技力向上や、住民との交流など活性化効果もある。新しい生活様式に対応した運営を目指し、関係者は模索を続ける。

岩手日報 2020/08/22

これもコロナ禍の影響ではあるが、感染症対策の徹底はもちろんのこと、受け入れ側も関係者だけではなく、住民の理解も大事になってくるのではないか。一度交流が途絶えた時だからこそ、これまでのつながりを無駄にしないように継続的な関係性を大事にしてほしい。

【2】「東根山麓もっと楽しく」~アウトドアで活性化~

紫波町西部の東根山麓に広がる都市農村交流エリア。地域おこし協力隊の安達さんと永井さんは、アウトドアスポーツなどを通じ、その活性化に力を注いでいる。2018年に始まった「あづまねマウンテントレイル」や、雪山を走るスノーランニングなどの運営を担い、交流人口拡大を図っている。

2人は同エリアの活性化を目的とした「あづまねイイ山イイ湯だな」プロジェクト実行委員会の事務局として活動。マウンテントレイル開催に向けたルート整備やトークイベントによる機運の醸成などを図った。18年の第1回には県内外から170人が参加。翌年の第2回は234人が秋の東根山を駆け抜け、近隣の温泉や食も満喫した。大会では地域住民が運営サポート。複数の店舗が会場で食事などを提供するなどして町を代表するイベントに急成長した。

岩手日報 2020/08/25

長年地元に居ることで気づかない自然環境のポテンシャル。そこに自分のキャリアで得た知識と経験を注ぎ、新たな魅力として自然環境の良さを引き出してくれています。地方での生き方としてヒントとして、お二人の益々の活躍に期待しましょう。

【3】「ブルズ 矢巾に拠点」~中学校体育館改修 練習用として利用~

バスケットボール男子Bリーグ3部の岩手ビックブルズは、矢巾町の矢巾中サブ体育館を改修し、練習専用施設として利用する。これまでは盛岡市近郊の施設を転々としながら活動を続けてきた。今後は同町を拠点に練習を重ねる。

町によると、同体育館は1977年に旧アイワ岩手の体育館として完成した。鉄筋コンクリート造り、延床面積約1067平方㍍。天井高さは13㍍で、バスケットボール1面分のコートを確保できる。2002年にアイワ岩手が町に寄付した。老朽化に伴い雨漏りや床の変形が生じているため改修工事を経て、早ければ年内に利用を始める。ブルズは施設利用料として年間約300万円を町に支払い、町内の中学生対象にしたバスケ教室にも力を入れる。

ブルズの水野社長は「専用体育館を持つのはB1、B2でも数チーム。将来的にB1を目指す上で、環境面を重視した」としている。

岩手日報 2020/08/27

行政だけの判断であれば、老朽化し、利用実態が少なければ廃止となるケースでしょうが、民間のアイデアを柔軟に取り入れることで、行政と民間のwin-winだけでなく、スポーツでの地域活性化に寄与する好事例に。これが自治体経営に問われる真の公民連携ではないか。

【4】「感謝胸に使い初め」~花巻東高女子硬式野球部 大谷選手寄贈マシン~

花巻東⾼OBで⽶⼤リーグ・エンゼルスの⼤⾕翔平選⼿は、今春発⾜した同校⼥⼦硬式野球部にホイール式ピッチングマシンを寄贈した。26⽇に花巻市松園町の花巻球場で初めて使⽤され、部員は憧れの先輩に感謝するとともに⽬標の⽇本⼀に決意を新たにした。

⼤⾕選⼿は、兄の⿓太さんが同部の三⻤賢常監督にトヨタ⾃動⾞東⽇本で指導を受けた経緯もあり、⺟校の発展を願って寄贈。創部当初から後輩の活動を気に掛けていたといい、練習に必要な物を問い合わせて今回の⽀援が実現した。マシンには⼤⾕選⼿の名前が英語で入れられており、“使い初め”となった同⽇は打撃練習などが⾏われた。同じくOBの菊池雄星投⼿(マリナーズ)からも今春、練習球などが贈られており、部員は先輩の厚意を感じながら⼒強くバットを振った。

岩手日日 2020/08/27

大谷選手、菊池選手の母校を気に掛ける様子や、人とのつながりを大事にしている人柄が伺えます。これも花巻東高在籍時代の指導者や仲間、学校やまちの風土が関係しているのではないでしょうか。現在全国で上映され、米国で話題を集めた花巻東高にスポットを当てたドキュメンタリー映画「甲子園フィールド・オブ・ドリームス」にも注目です。

【5】「五輪でメダル獲得期待」~花巻市長ボート日本代表を表敬~

ボート日本代表「クルージャパン」の面々は7月20日から9月4日までの予定で強化合宿を張っており、練習拠点は花巻市の田瀬湖ボートコース(日本ボート協会公認B級2000㍍8レーン)。男女のシニア選手10人とコーチ3人、スタッフ1人で競技向上を図っている。

軽量級女子スカルの上田選手は「コースブイがきれいに浮いて波風も少なく、田瀬は日本で一番好きなコース。施設の職員さんも困って時にすぐ来てくれるし、こんなに良い練習環境は他にない」と感謝している。同合宿は日本ボート協会が実施主体。男女それぞれの軽量級4人とオープン1人、計10人が鍛錬に励んでいる。市は歓迎旗や看板の設置や差し入れ、施設利用料免除、到着・出発時の荷物運搬協力などで支援している。

岩手日日  2020/08/28

今週のオピニオン№1の記事に関連して、スポーツの合宿誘致に力を入れている自治体は多いが、ハード面だけでなく、どこまでソフト面をサポートするのか。いたれりつくせりが良いのかは別にして、地域に与える影響が大きいのではあれば自治体の生き方が問われることになる。

【6】「休日の部活 地域委託」~教員負担軽減へ文科省方針~

長時間労働が問題となっている教員の負担を軽減するため、文部科学省は1日、公立中高の休日の部活動を地域や民間団体に委託し、教員による指導は希望者のみとする形式に切り替えることを柱とする改革方針を取りまとめた。大会が部活動過熱の一因になっており、参加する大会を絞り込むことも要請した。

地域委託は来年度から各都道府県のモデル校で実証実験を始め、2023年から段階的な導入を目指す。必要経費を来年度予算の概算要求に計上する。部活動は学校が運営するため教員の長時間労働の一因となっており、将来的には平日も地域主導にしたい考えだ。

改革方針では、自治体に部活動の監督責任を持たせ、保護者や元教員らでつくる指導グループなどの地域団体、総合型地域スポーツクラブや芸術文化団体などに業務を委託。スポーツ強豪校などで休日指導を希望する教員は兼職や兼業の許可を得た上で地域活動として従事可能とし、この場合の労働時間管理や手当をどうするかは本年度中に整理する。

運動系の大会や文化系コンクールは、大多数の学校が関係する地方大会の在り方を整理する必要があるとした。教員や生徒の過度な負担にならないよう、参加する大会を絞り込むことを求めた。

地域主体の部活動に関する費用は、保護者負担が適切と指摘。自治体による施設使用料の減免や経済的に苦しい家庭の負担軽減策を実施することも考えられるとした。国による支援も検討する。

部活動を巡っては、外部人材が教員をサポートする「部活動指導員」制度をつくり、教育委員会に人件費を補助していた。ただ、専門知識や経験を持つ人材が見つからない地域では活用が進んでいない。

岩手日報 2020/09/02

ついに部活動改革の大きな方針が国から示されました。ここで国の方針を踏まえて今後の問題点を以下のとおり整理してみました。

1 教職員に関すること

・兼業について(範囲や金額は)

・休日の活動との切り離しによるモチベーション(大会参加など)の変化 

2 財源に関すること

・モデル事業は良いが、その後の指導料はどう確保するのか?

3 委託先や受け皿に関すること

・委託先はどんな団体か

・総合型地域スポーツクラブはそれほど数がない

4 指導者に関すること

・複数の指導体制になると一貫性がなくなるのではないか

・地域でどうやって指導者をみつけるのか

5 大会や試合に関すること

・平日の指導者と土日の指導者が違うと試合参加などはどうするのか

・活動単位はあくまで学校単位なのか、競技団体単位とするのか

現時点で思い浮かぶのはこれくらいですが、皆さんもお気づきのことや思うところ、不安があると思います。

当スポーツクラブとしても中学校の部活動は大きな変革期にあると認識しており、今後学校や行政との情報交換を行い、新しい部活動の在り方を模索していきたいと考えておりますので、新たな情報が入りしだい、当ブログで発信してきたいと思います。

次回もお楽しみに!

Vol.18後半では部活動に関する記事が多くなったことから、記事を絞った掲載といたしました。

では、また!