Northern Rise 時事ネタオピニオン Vol.17

瀬川猛SC(スポーツコーディネーター)のスポーツ時事ネタ第17弾!

瀬川SC(スポーツコーディネーター)によるスポーツの時事ネタ紹介の第17弾をお届けします!

 

※8月8日から8月21日までの気になる時事ネタを日付順に掲載

 

目次

1.「中高生の陸上記録向上」~自粛経て練習に変化~(全国版)

2.「スポーツ交流幕開け」~陸前高田の運動公園~(岩手県陸前高田市)

3.「サッカー部員ら88人感染」~私立高でクラスター~(全国版)

4.「全国で活躍、世界へ飛躍」~育成強化支援選手に中高生4人認定~(岩手県一関市)

5.「教員の道 母校から」~厨川中サッカー部指導、地区V~(岩手県盛岡市)

6.「高校スポーツ好事例に」~甲子園交流試合 他競技の可能性示す~(全国版)

7.「アスリート就職支援」~無料紹介所、10月開設 県体協~(岩手県)

8.「宮古サーモン・マラソン11月開催」~出場者限定、コース変更~(岩手県宮古市)

【1】「中高生の陸上記録向上」~自粛経て練習に変化~

現論「為末 大」(元陸上選手)より

新型コロナウイルスが感染拡大する中、恐る恐るではあるが陸上競技の試合が再開された。長い間トレーニングが中断されていただけに、選手たちの体調面が心配されていたが、意外なことに中高生を中心に続々と新記録が出ている。一体なぜ、このようなことが起きているのか。

 第一に練習が抑制されたことだ。そもそも、これまで日本の部活動は練習が過多だった。他国と比較して、先進国の倍の時間をかけている競技すらある。練習過多が生み出す最も大きな弊害は、本来はやりたくてやっているはずのスポーツが「やりすぎて、もうやりたくない」という燃え尽き感を抱かせるところにある。競技が再開された時、選手たちのすがすがしい表情がとても印象的だった。

 第二に全国規模の大会がなくなったことだ。今年はインターハイや全国中学校体育大会などの開催が中止され、選手たちは大いに落胆した。大きな目標が消え、選手たちが「競技を楽しんで全力でプレーすればいい」という心境になったことも、良い結果が生まれる理由の一つではないだろうか。

 私たちは「習慣の生き物」で、どうしても以前から行われていることを疑うのが難しい。コロナ禍の特殊な環境に置かれたため、選手たちはどのような変化が生まれたのかをしっかりと検証し、その結果を共有することがスポーツ全体にとって、とても重要だと考えている。

岩手日報 2020/08/09

前例踏襲は凄く楽なことであるけれど、同時に考える習慣を奪うことでもある。コロナウイルスを転機に今までの常識(当たり前)を疑い、スポーツ(大会)の意義やスポーツの楽しさを改めて追求していきたい。

 

【2】「スポーツ交流幕開け」~陸前高田の運動公園~

陸前高田市の高田松原運動公園は8日、第一球場の「楽天イーグルス奇跡の一本松球場」など全施設の一般利用が始まった。東日本大震災から約9年5ヵ月を経て、市民スポーツの拠点が復活。プロスポーツの試合開催や合宿誘致など、交流人口の拡大も期待される。

新運動公園は、東日本大震災で被災した高田松原公園を市が復旧させた。敷地面積20.5haで総事業費は約46憶円。アディダスジャパンやプロ野球の楽天イーグルス、サッカーJ1の川崎フロンターレが支援。野球場×2面と屋内練習場、サッカー場×2面とミーティングルーム、その他にこども広場で構成されている。

 

岩手日報 2020/08/10

市では、第一野球場の「楽天イーグルス奇跡の一本松球場」ではファウルゾーンフェンス広告主を募集するなど造るだけでなく、稼ぐことも考えているようだが、大規模施設の維持管理費が将来の市の財政の重荷にならないよう、適切に使用料を徴収するなど後世に語り継ぐ施設であり続けることを願います。

 

【3】「サッカー部員ら88人感染」~私立高でクラスター~

島根県の私立高男子サッカー部員ら88人が新型コロナウイルスに感染したと9日発表した。いずれも軽症か無症状。学校で異例の規模のクラスター(観戦者集団)が生じたと判断した市は10日、同校の全ての生徒や教員ら約350人をPCR検査の対象とし、終わっていない約200人の検査を進めた。私立高は10日、ホームページで謝罪した。

岩手日報 2020/08/11

謝罪会見なんて必要なのか?新型コロナウイルス感染は、いつでも、どこでも、誰でも感染する可能性があるのだから、部員や学校がそんなに悪いのか?また、寮生活がダメ、対外試合がダメ、遠征がダメなのか。そんな考えはやめましょう!早く元気になって、大好きなサッカーができるように願っています。

 

【4】「全国で活躍、世界へ飛躍」~育成強化支援選手に中高生4人認定~

一関市は12⽇、トップアスリート育成強化⽀援事業の育成強化⽀援選⼿に中学⽣1⼈と⾼校⽣3⼈を認定した。市役所で認定式が⾏われ、勝部修市⻑が認定書を授与。選⼿たちは⽔泳、フェンシング、卓球、スキーの各競技でさらなる⾶躍を誓った。

同事業は、⽇本を代表するスポーツ選⼿育成を⽀援する市独⾃の取り組み。今年4年⽬で、これまでに中⾼⽣10⼈を認定している。

市内各中学校、⾼校、種⽬別競技協会から推薦を受けた⽣徒たちを選考した結果、フェンシング競技で⼀関⼆⾼3年の菊地⼼和さん、ともに⼀関⼀⾼2年で⽔泳競技の菊池幹⼤さん、卓球競技の鈴⽊晶さん、スキー競技で磐井中2年の三浦瑠⽣さんが選ばれた。

育成強化⽀援選⼿には、強化練習参加や全国⼤会出場などに伴う経費に対し市から年間30万円を限度に助成される。

岩手日日 2020/08/13

世界を目指すアスリートにとって、大きな障壁となるが遠征費等の経費。岩手県内では見かけない補助金制度で、いわてスーパーキッズとは違った形で自治体がアスリートを支援しています。形はどうあれ、子供たちの夢を応援する制度が広まっていくことに期待しましょう。

 

【5】「教員の道 母校から」~厨川中サッカー部指導、地区V~

サッカーJ3のヴァンラーレ八戸でプレーした盛岡市出身の佐々木航さんが、母校の厨川中で新採用教員として教壇に立っている。中学校時代の恩師に憧れ、選手を引退後、地元で指導者となる道を選んだ。中学時代の顧問について「厳しいけれど信頼できる。将来は自分もそうなりたい」と憧れ、大学で中学高校の保健体育の教員免許を取得していた。

初任地の母校ではサッカー部の監督として臨んだ7月の盛岡地区中総体は優勝。勝負にこだわり鍛錬を積んだアスリート経験を糧に、次世代の育成に情熱を傾けている。

岩手日報  2020/08/16

特筆すべきは、中学時代の顧問への憧れ。育成年代の指導者はアスリートとしての能力を向上させるだけでなく、個々の人間性を開花させるような存在でなければならない。それだけ、指導者が与える影響は大きいことだと我々は肝に銘じて指導に当たらなければならない。

 

【6】「高校スポーツ好事例に」~甲子園交流試合 他競技の可能性示す~

甲子園球場で10日から開催されていた2020年甲子園高校野球交流試合は17日、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、6日間の日程を無事に終えた。日本高野連が大会前から念頭に置いていた高校スポーツの在り方の「モデルケース」になった。今後に予定されている高校生による他競技の全国大会開催の可能性を示した。

年末年始のサッカーの全国選手権は無観客も想定して準備をしている。全国高体連サッカー部専門部の幹部は「甲子園の形を見て、無観客開催とした場合でも、保護者の方は入れたいという気持ちになっている」と明かす。一方、屋内競技はコロナ対応がより難しい。冬に全国選手権を実施するバスケットボールの日本協会関係者は「会場スペースも狭く、屋外競技以上に『密』が生まれやすい」と悩ましげだ。スポーツ庁関係者は「万全の対策を取った上で、できれば生徒が努力してきたことを発揮できる機会をつくってもらいたい」と期待を寄せた。

岩手日報 2020/08/18

もう一つの成果として、優勝を決めない大会形式でも十分に価値がある事例であったこと。選手起用にしても勝敗に拘りつつも、勝利主義ではない影響が多く見られたことも見逃せないのではないか。

 

【7】「アスリート就職支援」~無料紹介所、10月開設 県体協~

県体協は10月からアスリートの就職と企業の雇用をマッチングさせる無料職業紹介所を開設する。アスリートの競技生活継続に向けた環境を整え、岩手から世界に羽ばたく選手輩出を目指す。

紹介所設置の背景として2016年の岩手国体で他都道府県の出身ながら本県へ競技の拠点を移した選手たちと、受け入れた企業側において勤務体系などの実情が異なったケースがあった。紹介所が両者の橋渡し役を務め、きめ細やかなマッチングを進める狙いだ。

岩手日報  2020/08/19

非常に良いことではあるが、設置の背景にある国体のために拠点を移すこと自体がそもそも議論されるところではないか。地元開催だからといって必ずしも上位でなければならないのではなく、出場枠の拡大など別な角度から国体の地元開催の意義を見出してはどうだろうか。

 

【8】「宮古サーモン・マラソン11月開催」~出場者限定、コース変更~

宮古サーモン・ハーフマラソン大会実行委員会は11月8日、「第34回宮古サーモン・ハーフマラソン大会特別大会タイムチャレンジ」を開催する。新型コロナウイルス感染症を踏まえ、目玉のハーフマラソンの部をやめ、10㌔、5㌔、小学生と家族のペアが走る2㌔の3部門を実施する。

出場者を宮古、山田、岩泉、田野畑の4市町村の住民に限定。一斉スタートで密集しないよう順次走り出す記録会形式とし、公認記録にならない。

宮古市では「これが精いっぱい。子どもたちや市民ランナーの練習成果を発揮する場にしたい」と話す。

岩手日報 2020/08/19

宮古市の“これが精いっぱい”のコメントが印象的で、決定までの苦悩が伺えます。中止するのは簡単ことだが、あらゆる面を想定しながら、例えベストな形でなくても開催することの意義は大きいのではないか。批判もあろうが、無事に大会が開催され、好事例となることを願います。

 

次回もお楽しみに!

コロナウイルスの感染が拡大する中、コロナ禍との向き合い方や、新しいスポーツの形が見えてきた週となりました。

では、また!