【アスリートのための栄養 vol.5】 腸内フローラを整えて、ストレスに強くなる!

「腸内フローラ」って、最近よく、テレビや雑誌でも目にする機会が増えてきましたよね。

この、「腸内フローラ」は、腸内に住みついている細菌叢がお花畑のように見えることから、そう呼ばれているようです。

でも、自分の腸内がどうなっているかなんて、目にみえないし、わからない~と思ってしまいますが、
今では自宅で検査できるキットが販売されるほど「腸内フローラ」は身近なものとなっています。

 

トップアスリートの腸内細菌のヒミツ

腸内細菌は、身体的、精神的ストレスの影響を非常に受けると言われています。

よく試合前やテスト前など、緊張したりストレスがかかるようなときに、おなかをこわす人がいますが、
あれは腸内フローラの乱れが原因のひとつとも考えられているようです。

 

トップアスリートと呼ばれている選手は、一般の人と比べて、
腸内細菌の種類が多く、かつ体に良い働きをする細菌の割合が多いのだそうです。

アスリートは運動により相当な負荷がかかりますが、心身にストレスによるダメージを受けても、
それに耐えうるだけの回復力を支えているのは、腸内細菌の力が大きいのではないか、と考えられるようになってきています。

 

元サッカー日本代表の鈴木啓太氏は、現在、AuB株式会社の代表取締役で、
アスリートの腸内細菌に関する研究成果をもとに様々な事業を展開されているそうで、そのお話はとても興味深いものです。

試合前になると少なくなる菌種も。腸内細菌研究での発見

白石:研究を進める上で判明した意外な事実の発見などはありましたか?

鈴木:興味深いと感じたのは、大事な試合前に、ある競技の選手たちのある特定の腸内細菌の数が大きく変化するという研究結果が得られたときです。

白石:試合前になるとアスリートの腸内細菌の中で、ある特定の菌種に変化が生じるというのは大変興味深いですね。これは何を意味しているのでしょうか?

鈴木:おそらく、ストレスの影響ではないかと思われます。食事や運動の影響も考慮したのですが、メンタルの変化が影響しているのではないかというのが今時点での結論です。ストレスが、どういうメカニズムでこの腸内細菌の増減に影響しているのか、さらに、その変化がアスリートのパフォーマンスにとって好ましいことなのかどうか、これから追究していきたいと思います。

(引用:株式会社 MIMIR |【インタビュー:鈴木啓太】腸内フローラ解析事業を通じてアスリートを支援(前編)

こうしてみてみると、ストレスに負けないためには、どうも「腸内フローラを整えることが必要らしい」ということが言えそうです。
それと同時に、「腸内フローラを保つためには」ストレスを受けにくくすることも必要だといえるでしょう。

 

アスリートが良いパフォーマンスをするために・・・

・腸内フローラを整える
・ストレスへの耐性をつける    

この二つの条件を満たすにはどうしたらいいか、栄養面から探ってみました。

 

 

腸内フローラを整えるには

以前、某テレビ局の「腸」にまつわる特集番組に、ゲストでNYヤンキースの田中投手が出演されていたのですが、
そのときに、田中投手の活躍を支えているのは、腸の健康だということで、食事内容について触れられていました。

それによると、田中投手は食事で摂取する食物繊維の量が非常に多いのだそうです。

 

食物繊維は、腸内の悪玉菌や有害な物質を減らすといわれていて、
野菜や穀類、海草、ナッツなどの食物繊維を多く含む食品を摂ることで、腸内フローラが整えられるようになるといいます。

多すぎるのも良くありませんが、現代人は食生活の変化で食物繊維の摂取が少なくなっているので、今よりも積極的に取り入れなくてはならないのでしょう。

 

 

ストレスへの耐性をつけるには

ヒトはストレスがかかると興奮状態になりますが、そのとき脳内の神経伝達物質がバランスをくずしています。
さらに、腸も「第二の脳」と言われているくらい、神経細胞が多い器官。
経のバランスを取り戻すためには、カルシウムとマグネシウムが必要です。

 

そして、ストレスにより大量に消費されるのは、抗酸化作用をもつビタミンC。
しかもビタミンCは水溶性で、汗や尿とともに体外に排出され、体内に留めて置くことができないため、頻繁に補給する必要があります。

 

また、細胞の老化を防ぐためにもアントシアニン、リコピン、ビタミンEなどの抗酸化物質の摂取も必須です。

 

あと、別名「しあわせホルモン」と呼ばれる神経伝達物質セロトニンを増やすこと。
セロトニンが作られる際材料となるのがトリプトファンという必須アミノ酸。
トリプトファンと聞いてすぐ思い浮かぶのはバナナですが、大豆製品や乳製品、卵などにも多く含まれています。

 

 

「腸」キレイなアスリートに!

いやいや、でも「食物繊維とそんなたくさんの栄養素」って言われても!・・・
いったい何食べればいいの!?

 

とここで、またもや「スポーツ選手のための食事400レシピ」(学研パブリッシング)から。

 

ゴーヤーチャンプルー
野菜きのこのマリネ
シリアルフルーツヨーグルト…(バナナ、オレンジ、グレープフルーツ、玄米フレーク、プレーンヨーグルトなど。)
カラフル野菜のサラダ…(ブロッコリー、パプリカ、アボカド、ミニトマト、くるみなど。海草入りもアリですね。)

 

おっ、これなら簡単に出来そうかも、ですね♪

 

食物繊維とミネラルや抗酸化物質をたっぷりとって、
「腸」キレイな、ストレスに負けないアスリートを目指しましょう!