Northern Rise 時事ネタオピニオン Vol.5

瀬川猛SC(スポーツコーディネーター)のスポーツ時事ネタ第5弾!
瀬川SC(スポーツコーディネーター)によるスポーツの時事ネタ紹介の第5弾をお届けします!
※2月22日から3月6日までの気になる時事ネタを日付順に掲載
目次
【目次】
1.「照明利用 来年2月目指す」~グルージャ盛岡本拠地~(岩手県盛岡市)
2.「スポーツ選手育む栄養解説」~専門家が講演会~(岩手県陸前高田市)
3.「たくさん勉強しても…たっぷり寝ても…」長々スマホ低学年は偏差値↓(宮城県版)
4.「ゲーム制限条例 香川県制定へ」~遊ぶ時間長いほど悪影響~(香川県版)
5.「野球漬けから脱却」~堺ビックボーイズ~(大阪府河内長野市)
6.「選抜出場校に動揺」~部活は?練習試合は?~(全国版)
7.「東京マラソン№1」~プロランナー神野大地~(全国版)
8.「東京マラソン№2」~プロランナー大迫傑~(全国版)
9.「部活休止 くすぶる熱」~不安抱え自主練習「最後」飾れず悔しさも~(岩手県版)
10.「酷暑・災害で?スポーツ実施率減」2019年度スポーツ庁調査(全国版)
【1】「照明利用 来年2月目指す」~グルージャ盛岡本拠地~
盛岡市は21日、サッカーJ3いわてグルージャ盛岡の本拠地、同市永井の「いわぎんスタジアム」に整備する照明設備について、2021年2月の利用開始を目指す計画を示した。Jリーグの基準を満たした照度1500lux以上の照明塔4基を設ける。照明設備は同スタジアム東側のAグラウンドに建設する。実施設計、地質調査などを経て9月に着工し、2021年のJ2開幕前の完成を予定する。
照明設備を巡り、同クラブはJリーグからJ3基準となる施設を2022年6月までに完備するよう求められていた。「収容人員1万人」の要件もあったが、緩和措置でJ2ライセンスの取得が可能に。2020年度内に取得し、昇格を目指す。
岩手日報 2020/02/22
完成期限が2021年2月の“J2開幕前”となっています。と言うことは、今年度のチーム目標は、最低でもJ2昇格が最低条件に。あと、ハード面の「収容人員」だけでなく、ソフト面での「収容人員」の充実が望まれます。頑張れ、グルージャ盛岡!
【2】「スポーツ選手育む栄養解説」~専門家が講演会~
アディダスジャパンなどは21日夜、陸前高田市高田町の「夢アリーナたかた」でフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんによる講習会を開講し、参加者がスポーツ選手に必要な栄養素などを学んだ。
講習会は東日本大震災の復興支援で2012年に始まり9回目。
岩手日報 2020/02/23
気になってアディダス ジャパン株式会社と陸前高田市のこれまでの主な取り組みを調べてみました(これ以外も沢山あります)。
2012.07 スポーツ指導者育成の講習会「adidas Sports Academy」を開始(以降毎年開催)
2013.08 陸前高田市立第一中学校サッカー部をドイツ本社に招待
2014.05 香川真司選手の陸前高田市訪問をエスコート
2015.11 特別協賛企業として「陸前高田 応援マラソン大会」の新設に貢献
すべての自治体でアディダスのような企業がサポートして「スポーツによるまちづくり」を進めているケースは稀で、通常は行政のスポーツ推進計画などによって、「スポーツによるまちづくり」が進められると思うが。現実は行政と地域、企業が一体となって進めているケースは稀。それぞれの強み弱みがあるのだろうから、今こそ計画のための計画ではなく、計画からアクションへ。
【3】「たくさん勉強しても…たっぷり寝ても…」長々スマホ低学年は偏差値↓
スマートフォンの長時間使用による小中学生の学力低下は、低学年ほど影響が大きくなることが、仙台市教委と東北大の分析で分かった。スマホ使用が1時間以上の場合、小学5年~中学3年は一定の勉強、睡眠時間があれば偏差値50以上を維持するが、小学3、4年は勉強や睡眠の時間に関係なく50を下回った。専門家は「スマホの使用を1日1時間未満に抑える習慣化が必要だ」と提言する。
河北新報 2020/02/25
俗に言う「よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ」の“遊ぶ”の部分が、今の公園や公共施設はあれダメ、これしちゃダメとか、制限だらけ。もう自由に公園でスポーツを楽しむことは難しい時代で、今の公園の遊びの主流はeスポーツ(ゲーム)。せめて、よく寝ればなんとかなると思っていたけど、やっぱり長時間のスマホだめなのね。意外と根が深い問題で、いろんな意味でスマホとどう向き合かを考えなければならないことですね。
【4】「ゲーム制限条例 香川県制定へ」~遊ぶ時間長いほど悪影響~
スマホやゲームの時間を制限する条例を考えているのは香川県で、①18歳未満の子供がゲームで遊べる時間は、平日の60分、休日は90分まで、②スマホを使える時間は中学生で午後9時まで、高校生は午後10時までといった目安をもとに、各家庭でのルール作りを求める内容です。条例を破っても罰はありません。条例は県議会で話し合わせる予定で、成立すれば4月から実施されます。
読売新聞 2020/02/26
ゲーム依存症対策でなんだろうけど、親が「条例で決まっているからゲーム禁止」ってなるのか?いろいろな意見があると思うけど、ゲームやスマホとの付き合い方を真剣に考える時期で、賛否があると思うが行政が本気で考えることは決して悪いことでは無いと思う。人が本気で考え、本気で議論し、最終的に皆で良いものにしていくことが大事では。
【5】「野球漬けから脱却」~堺ビックボーイズ~
チームの特徴は、選手第一のマネジメントだ。かつてはスパルタ式のチームで、1期生でもある瀬野代表が監督を務めていた99、2000年には全国大会を連覇した。卒団生はプロなどで上の世界で活躍するだろうと思っていたが、その成長が「頭打ち」になる現実に直面した。09年から運営方針を見直した。土日も練習は午後2時で終わり、野球漬けとならないようにしつつ、最大1時間の自主練習を設定した。指導は怒号や罵声を禁じて選手の観察に重点を移し、球数制限も設定した。「納得できない」とコーチ10人中9人がチームを去った。「負けたら終わり」のトーナメント方式が出場選手の固定化や故障につながると考え、NPO法人を設立して運営を強化し、指導方針を明確した。ルール化で指導者が「もう無理をする必要はないんだ」と解放されたと実感をした。
現在の団員は3学年で90人、15年に設立した小学部も6学年で約100人。故障や暴力的な指導に悩んで移ってきた選手もいる。「勝ちは減ったが、たくさんの子供たちが集まってくれている。野球が選ばれるスポーツになるよう、こうした選択肢が生まれてほしい」。瀬野代表の願いだ。
毎日新聞 2020/02/26
この記事に育成年代の全てが詰まっている気がする。卒団生には大リーグ・レイズに移籍した筒香選手などがいる。育成年代のスポーツ環境に苦言を呈している筒香選手の行動や発言の原点は「堺ビックボーイズ」なのかも知れない。
【6】「選抜出場校に動揺」~部活は?練習試合は?~
政府が27日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全国の小中学校、高校などに春休みまでの臨時休校を要請することを決めたことで、クラブ活動への影響も避けられない状況となった。3月19日に甲子園で開幕する選抜高校野球大会の出場32校など、大会関係者にも戸惑いが広がった。
以下、選抜出場校の監督及び関係者のコメント
県岐阜商「これから、どうなるのでしょうか。もう私たちの判断が及ばないところです」
履正社「部活はどうするのか、練習試合はどうするのか不安。練習試合をやっていいとなっても、相手が来るかどうか分からない」
磐城「まだ県教委の指示がないので活動方針が決まらない」。選手には「今まで困難を克服してきた。絶対、大会はやるんだから、健康面をしっかり管理していけ」
明石商「重大な事態になっている。子どもたちのことを考えて開催していいのか、開催しないのがいいのか。健康第一、命にも関わってくる問題」
読売新聞 2020/02/28
それぞれが苦しい胸の内を明かしています。選抜高校野球に限らず、春の全国大会に備えてきた競技、チームにとっては同じ心境でしょう。選手にはプレーさせたい。一方、安全面を考えると簡単にはプレーさせられない。
この問題はカテゴリーとか、競技性とか、部活動とか、スポーツを超えた問題です。プロ・アマとは苦しい状況でしょうが、今は事態の鎮静化を願うしかありません。
【7】「東京マラソン№1」~プロランナー神野大地~
この大変な中私たちを走らせてくれてありがとうございます。また今回エントリーされてて走れなかった市民ランナーのみなさんは、残念でしたがこれからも練習を続けてほしいと思います。
改めて感じるのは、スポーツは平和や安心安全の上で成り立っていることだと気づきました。東京マラソンが行われる3月1日を自分が何の心配もなく日常を楽しむこと、私の場合はマラソンができることに感謝する日にできたらいいなと思います。私の仕事はプロアスリートなので、こういう状況の時にみなさんを少しでも前向きにできるように明日は走りたいと思います。
スポーツ・アスリートにはそういう力があると信じています。
twitter 2020/02/29
続々とスポーツ、イベントが中止・延期される中で開催される、東京五輪男子マラソンの最後の代表を決める東京マラソン。神野選手の当たり前の日常に感謝する気持ちと、今こそスポーツの力で日本を元気にする心意気。こういう状況だからこそ、改めてスポーツの意義が問われる時ではないでしょうか。神野選手の走りに期待です。
【8】「東京マラソン№2」~プロランナー大迫傑~
今回、日本記録を樹立し、2度目となる1憶円の報奨金を受け取った。使い道について「スクールや来年の(自分で主産する)大会がある。これから育っていく選手のために使っていく必要があるのかな」と語った。自らへのチャレンジだけでなく、強い意志とマラソン界全体を見渡す大きな視点を持ち、走り続ける。
また、3強の一角で16位となった設楽悠太選手はレース後、自らのTwitterで「僕らはどこまで行けるだろう。闘っている相手はいつも自分自身。孤独だけれど孤立してはない。競争する仲間はいるから。誰のため?何のため?ひとつだけ夢をあげるなら、次の世代の目標になりたい。僕らは、いまスタートラインに立った」とコメントしています。
毎日新聞 2020/03/02
大迫選手、設楽選手に共通している日本記録更新の先に見据える、プロランナーのステータス向上やプロランナーの未来。走りだけでなく、その生き方、その行動にマラソンの未来を感じた東京マラソンとなりました。
【9】「部活休止 くすぶる熱」~不安抱え自主練習「最後」飾れず悔しさも~
新型コロナウイルスの感染拡大による臨時休校開始に伴い、岩手県内の中学・高校の部活動も多くの学校で休止となった。文部科学省の方針を受け、県教委が部活動を控えるよう通知。県立学校は新学期までの中止の指示を受け、練習試合も取りやめとなった。全国高校選抜大会の中止も相次ぎ、統合前最後の大会となるはずだった宮古商高校卓球部の選手は落胆。生徒は不安を抱きながら、競技力向上へ自主練習に努めている。
岩手日報 2020/03/04
やむを得ないことだが、中学校は市町村ごとに休校期間も異なり、高校に至っては休校しない高校もある。また、公共施設の利用に関しても市町村ごとの対応にバラツキがあるため、選手からは不公平感をなくしてほしいとの声もある。決めたことにとやかく言っても建設的ではないので、せめて終息状況を見ながら再開の判断は臨機応変に対応願いたい。
【10】「酷暑・災害で?スポーツ実施率減」2019年度スポーツ庁調査
スポーツ庁が2019年度のスポーツ実施状況に関する調査の結果を公表した。週1回以上運動・スポーツをする成人の割合が前年度から1.5%減少し、53.6%だった。同庁は成人の週1回のスポーツ実施率を65%まで高めることを目標に掲げるが、大きなきっかけとなるはずの東京五輪・パラリンピックを前に足踏みした格好だ。同庁の鈴木大地長官は「昨年は夏が酷暑で秋には自然災害もあったことが影響していることも考えられる。スポーツへの関心が高まる時期なので、ネジをまき直していきたい」と話した。
朝日新聞 2020/03/04
スポーツ・運動をやらない理由として、酷暑や災害との因果関係あるのか。やらない理由中でもっと多いのが「仕事や家事が忙しいから」が約5割であること。日本人は仕事や家事に奪われる時間が多過ぎるのかな。これからの働き方改革やワークライフバランスの変化によって、少しずつ向上するかも知れませんね。
次回もお楽しみに!
今回はコロナウイルス影響でスポーツ競技大会、関係イベントが続々中止になっています。その影響で新聞記事からスポーツに関する明るいニュースが少なくなりました。この感染症問題に関して競技ごとの正解があるわけではない。今こそ競技団体の枠を超えた対応が必要となります。中学校の部活動問題も部単位、学校単位、競技単位、行政単位などのミクロ対応ではなく、マクロのアプローチが必要ではないかと考えています。
では、また!