Northern Rise 時事ネタオピニオン Vol.7

瀬川猛SC(スポーツコーディネーター)のスポーツ時事ネタ第7弾!

瀬川SC(スポーツコーディネーター)によるスポーツの時事ネタ紹介の第7弾をお届けします!

 

※3月21日から4月3日までの気になる時事ネタを日付順に掲載

 

目次

【目次】

1.「2023年利用開始予定 盛岡の新球場」~菊池雄星古里支援に意欲~(岩手県盛岡市)

2.「いわてスーパーキッズの挑戦」~5年継続指導を転換~(岩手県版)

3.「学校の再開に向けての留意点等をまとめたガイドライン」~部活動に関して~(全国版)

4.「花巻東高に女子硬式野球部」~今春12人で始動~(岩手県花巻市)

5.「高総体地区予選中止」~県大会可否は来月判断~(岩手県版)

6.「県高野連・春季大会規模縮小を検討」~通常開催は困難~(岩手県版)

7.「県高野連・春季大会は無観客で」~地区予選は規模縮小~(岩手県版)

8.「県内部活 課題なお」~来月にも再開~(岩手県版)

9.「愛称は“しんきん森山スタジアム”」~水沢信金が命名権~(岩手県金ヶ崎市)

10.「卓球競技経費CFで確保」~目標から倍増213万円~(岩手県奥州市)

1】「2023年利用開始予定 盛岡の新球場」~菊池雄星古里支援に意欲~

盛岡市と県が盛岡南公園に共同整備し、2023年春利用開始予定の新球場について、同市出身で米大リーグ、マリナーズの菊池雄星(花巻東高)が「アドバイザー」として支援する意欲を示している。野球人口減少への危機があり、自らを育ててくれた古里に恩返しをするため「ここでプレーしたいと思える岩手のシンボルになってほしい」と力を込める。新球場は地域活性化や野球人口増加の起爆剤としても期待される。「ここでプレーするために野球を始める子どもたちが一人でも増えればうれしい。全国からプレーしたいと思ってもらえる球場になれば県民の方にも喜んでもらえる」と願う。

昨年10月には盛岡市の谷藤市長と意見交換した。「本当に特別な球場」という県営球場の遺産活用や本県の魅力である自然や先人をイメージできる場所の設置など、さまざまなアイデアを披露した。市側は「願ってもないありがたい申し出」と歓迎。」今後は市民の声を反映させながら構想を練る考えだ。

岩手日報 2020/03/21

現役のプロ選手が公共事業のアドバイザーに。よく事業を行う上で有識者などがアドバイザーを担うケースが多い訳ですが、本当の有識者はプレーヤーではないでしょうか。しかも世界を股にかける現役大リーガーとなれば最高のアドバイザー。ここで大事なのはプレーヤー=最高のアドバイザーではなく、地域への愛着や野球人口減少への危機感を持ち合わせていること。今後、具体化される盛岡の新球場に注目です。

 

【2】「いわてスーパーキッズの挑戦」~5年継続指導を転換~

2007年度から始まった県主催の「いわてスーパーキッズ発掘・育成事業」が新たな形を模索している。これまで334人が修了し、オリンピアン1人を輩出。16年の岩手国体でも一定の成果を上げた。一方で、高校卒業も競技を続ける選手はごく少数。修了生の9割以上が高校で燃え尽き、競技から離れた。世界を目指す上で高い壁にぶつかり、限界を感じた選手は少なくない。そもそもスポーツに励む子どもは減少傾向が続く。初年度は定員約80人に1180人の応募があったが、近年は定員約30人に約300人と倍率が下げっている。

ゴールの見えにくい取り組みと評されるが、事業継続の背景には近年の本県選手の活躍がある。19年度の選抜試験に参加した子どもの約3割が世界での活躍を目標にしていた。この好機を生かし、県内に埋もれている宝の発掘が求められる。

岩手日報 2020/03/22

過去のオピニオンVol.2で取り上げた記事がより深掘りされて紹介されています。バーンアウト(燃え尽き症候群)や高校卒業後の競技離れを見ると、事業の転換期であるとともに、事業としての必要性を今一度考える時では。事業には一歩踏み出す勇気も必要だが、辞める勇気も必要で、ある程度の撤退ラインを設定することも必要ではないのか。

 

【3】「学校の再開に向けての留意点等をまとめたガイドライン」~部活動に関して~

本日(3月24日)文部科学省より、令和2年度における学校再開について、各教育委員会などに対して、「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」などが発出されました。その中で、部活動に関する留意点も記載しています。

 4.部活動に関すること(本文一部抜粋)

部活動の実施に当たっては、地域の感染状況等も踏まえ、3月9日の専門家会議で示されている3つの条件が重ならないよう、実施内容や方法を工夫すること。部活動は、生徒の自主的、自発的な参加により行われる活動であるが、生徒の健康・安全の確保のため、生徒だけに任せるのではなく、教師や部活動指導員等が部活動の実施状況を把握すること。生徒に手洗いや咳エチケットなどの基本的な感染症対策を徹底させるとともに、部室等の利用に当たっては、短時間の利用としたり一斉に利用しないなどに留意するよう指導すること。また、生徒に発熱等の風邪の症状が見られる時は、部活動への参加を見合わせ、自宅で休養するよう指導すること。

スポーツ庁HP 2020/03/24

この対策って特別なものなのか。コロナだから特別にやるのではなく、“生徒の健康や安全の確保”は当たり前のことだし、この問題を契機に学校(教員)や指導者、保護者が本当に変わるときじゃあないか。改めて、大人が変わらなければ子供たちの未来は変わらない。

 

【4】「花巻東高に女子硬式野球部」~今春12人で始動~

花巻市の花巻東高に岩手県初の高校女子硬式野球部が誕生する。メジャーリーガーを輩出し、春夏合わせて甲子園13度出場の男子野球部と同様に「花巻から日本一」を目指す。

全国高校女子硬式野球連盟によると、加盟校は32校で、東北ではクラーク記念国際(宮城)が加盟。主要大会は春の全国選抜、夏の全国選手権などがあり、部員11人以上で単独出場が可能。第1回(1997年)の全国選手権は5校の参加にとどまったが、減少傾向の男子部員数に比べ、女子の選手は年々増加。複数の高校が加盟を検討しているという。

岩手日報 2020/03/24

男子に混じって野球を始めた女子も年齢が上がるに連れてソフトボールに転向するケースや、部活の野球部に女子を禁止している学校もあります。野球は野球、ソフトはソフトで、似て非なるもの。高校で再び野球にチャレンジできる環境をつくることで、地域活性化や女子生徒の人材育成などが期待されます。目指せ「花巻からアベックでの日本一」。

 

【5】「高総体地区予選中止」~県大会可否は来月判断~

岩手県高校体育連盟は26日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、第72回県高校総合体育大会の各地区予選を中止すると発表。開会式と県大会の開催可否については4月中旬に最終決定する。地区予選中止の理由について県高体連は、3月上旬からの臨時休校で長期間部活動ができていない状況があり、4月の新学期から部活動を再開したとしても、「十分な練習ができない中で大会枠を争うのは難しく不公平感が残る」と説明。

岩手日報  2020/03/27

コメントにある“不公平感”とは。屋外競技と屋内競技。団体競技と個人競技。公立と私立。部活動と民間スポーツクラブ。公共施設と民間施設。花巻市と北上市。等々、何をもって不公平感は様々で、同じスタートラインから再開ではない。むしろ差が開いているとも言える状況。何が正しいのか、非常に難しい分岐点に立たされています。

 

【6】「県高野連・春季大会規模縮小を検討」~通常開催は困難~

県高野連・大原理事長インタビュー「春季県大会は予定通りに開催できるのか。

「各校に16日付けで文書を送った。中止の考えはないと示した。ただ、多くの学校で休校や部活動禁止が続いており、通常開催は困難。地区予選は規模縮小を前提に検討している。県大会の出場校数は予定通り。無観客は考えていない。選手が努力し続けたことを表現する場所、成果を発揮する場所を提供したい」としている

岩手日報 2020/03/29

高体連の地区予選は中止で、高野連の地区予選は開催。現時点での見解でしょうが、野球とその他の競技を区分してほしくない。何故ならどちらも同じ部活動。“選手が努力し続けたことを表現する場所、成果を発揮する場所を提供したい”という思いは全ての競技に共通する選手・関係者の願い。

 

【7】「県高野連・春季大会は無観客で」~地区予選は規模縮小~

県高野連は30日の臨時理事会で、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、春季東北地区野球県大会を地区予選から無観客で実施する方針を固めた。地区予選は規模を縮小して5月1日に開始予定。県高野連の大原理事長は「選手が練習の成果を発揮できる場、多くの人たちに見てもらえる大会にしたかったが、感染防止を最優先に考えて無観客になった。日々の状況を注視していく」と述べた。

岩手日報  2020/03/31

2日前のインタビューでは無観客は考えていないと述べていましたが、やはりというか当然というかの結果に。31日時点で感染者が出ていない岩手県ですが、これだけ感染が拡大している中で観客を入れての開催は困難。気持ちは痛いほどわかるが、現状を鑑みれば致し方ない。繰り返しになるが、高校野球も同じ部活動。

 

【8】「県内部活 課題なお」~来月にも再開~

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、県内の多くの中学校や高校で部活動が休止となって約1ヶ月が経過した。不安を抱きながら自主練習に励んできた選手たち。4月から新学期が予定通りに始まれば部活動も再開される見通しだが、部活動の制限や実践不足など課題もある。通常の部活動に戻るには時間がかかりそうだ。

県教委の通知では活動時間が平日は2時間、休日は3時間以内と示されており、本番まで多くの時間は残されていない。

岩手日報 2020/03/31

約1ヶ月の活動の休止は実践不足の影響を受ける一方で、平日は2時間だから、休日は3時間以内だからが、ハンディになるのか。確かにブランクは大きいが、だからといって一日中練習をやれば良いというものではないし、ここからが真の指導者の腕の見せ所。

 

【9】「愛称は“しんきん森山スタジアム”」~水沢信金が命名権~

金ヶ崎町が募集していた町有施設に企業名などを冠した愛称を付けられるネーミングライツスポンサー事業で、同町西根森山の森山総合運動公園野球場が4月1日から「しんきん森山スタジアム」の愛称となった。水沢信用金庫がスポンサーとなり、町との契約書に調印。愛称を生かした町と地域のスポーツ振興に思いを新たにした。

 岩手日報 2020/04/02

過去のオピニオンVol.4で紹介した記事の続報。愛称に「森山」を入れることを条件したネーミングライツ。結果、年間70万円の命名権料収入を町内のスポーツ施設の維持管理基金に積立するとの事。当初は半信半疑だと思っていましたが、蓋を開ければ無事に契約。契約額の大小ではなく、町の積極的なアクションを評価。

 

【10】「卓球競技経費CFで確保」~目標から倍増213万円~

2020年度全国高校総合体育大会奥州市実行委員会は、8月に市内で開催される同大会卓球競技で不足する開催経費をクラウドファンディングで募り、213万円を集めた。当初目標としていた100万円を期間中に優に超え、仮説冷房設備設置費を賄えることになり、会場へのアクセス改善費も追加募集してこれも目標達成。力強い後押しを受け、市実行委員会は出資者に深く感謝している。

 岩手日報 2020/04/02

これも過去のオピニオンVol.3で紹介した記事の続報。目標超えと追加支援による倍増で必要経費確保。これも半信半疑と思っていましたが、目標達成。改めて計画より行動が大事だという証。一方、市のホームページからCF募集の記事を抹消した花巻市の結果が気になるところ。

 

次回もお楽しみに!

今週は部活動ネタを中心に紹介してきましたが、Vol.9、10では過去の記事の続報を紹介しています。記事の当初にあった若干の違和感も結果がでると、改めて行動を起こす大切さを感じています。今後も記事も単に紹介だけでなく、その後の調査による現在地を紹介していきたいと思います。

では、また!