Northern Rise 時事ネタオピニオン Vol.8

瀬川猛SC(スポーツコーディネーター)のスポーツ時事ネタ第8弾!

瀬川SC(スポーツコーディネーター)によるスポーツの時事ネタ紹介の第8弾をお届けします!

 

※4月4日から4月17日までの気になる時事ネタを日付順に掲載

 

目次

【目次】

1.「参加強制しないで」~新型コロナで休止・部活動再開~(岩手県版)

2.「インターハイ ピンチ」~予選中止広がる恐れ~(全国版)

3.「目標への挑戦 生きてこそ」~8月末まで部活動停止~(全国版)

4.「今は感染防止第一」~スポーツ庁長官の訴え~(全国版)

5.「工夫凝らした部活始動」~岩手県内中学校~(岩手県版)

6.「どうなる県高校総体」~通常開催へ課題山積~(岩手県版)

7.「待望の新ボルダリング場」~国際大会へ対応~(岩手県盛岡市)

8.「奪われた集大成舞台」~コロナで県高校総体中止へ~(岩手県版)

9.「春季高校野球中止へ」~県高野連も県高体連と同調~(岩手県版)

【1】「参加強制しないで」~新型コロナで休止・部活動再開~

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、臨時休校していた県内の中学・高校は週明けから授業を再開し、部活動も本格的に再始動する。突然の要請により、各校の運動部員は約1ヵ月の活動停止という経験のない事態を強いられてきた。部活動再開を前に、県強委の清川保健体育課長に基本的な注意点などを聞いた。

―――部活動再開に当たり強調したい点―――

「先生もチームメイトも参加を強制しないこと。いまだに家庭の事情などで参加しにくい人。感染を不安に思う人もいる。長い休止期間明けにいきなり背中を強く押さえても勢いよく走れない生徒はいる。個々の意向を尊重してほしい」

岩手日報 2020/04/05

もっともらしいが、そもそも部活動は強制加入なのか。部活加入率全国ナンバーワンの岩手県。学校や教育委員会は強制加入ではないと言うだろうが、実態はどうなのか。もっと根本的なところから変えるべきではないのか。

 

【2】「インターハイピンチ」~予選中止広がる恐れ~

新型コロナウイルスの感染拡大で、今夏に岩手県を含め東北から九州の21府県で分散開催される予定の全国高校総合体育大会(インターハイ)の開催が危ぶまれている。今大会は当初、群馬、茨城、栃木、埼玉の北関東4県を中心に行うはずだったが、東京五輪・パラリンピックの影響で競技会場や宿泊施設の確保が難航して異例の広域開催となった経緯がある。昨年春にようやく全開催地が確定。インターネット上のクラウドファンディングで寄付金を奪って資金繰りにも奔走したが、再び試練が訪れた。岩手県では盛岡市、花巻市、奥州市、釜石市で3競技の開催を予定している。

岩手日報 2020/04/08

4月8日時点で本県の感染者ゼロであるが、だからといって岩手県は開催して良いという事ではない。東京五輪同様に延期又は中止など大きな決断が迫られています。もはや都道府県、競技団体など単体での判断ではなく、スポーツ界全体での判断が必要な状況です。

 

【3】「目標への挑戦 生きてこそ」~8月末まで部活動停止~

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、部活動を自粛している大学スポーツ界。中でも東海大学の停止期間は8月末までと突出している。常勝軍団の男子柔道部を率いる上水監督は「最優先すべきは勝利よりも命。耐える時だ」と現実を受け止めている。

 上水監督のコメントを抜粋

・「自分が感染しなければ他人の命を守れる。柔道の精神である“自他共栄”を具体化すべきだろう」

・「柔道ができないならば映像で技を研究すればいい。時間は山ほどある。選手たちは今こそ究極の工夫が問われる」

・「練習を自粛できない人には“状況が深刻な欧米の叫びが聞こえますか”と言いたい。目標への挑戦は生きてこそ意味がある」

岩手日報 2020/04/09

コロナ発生以降、関連するいろいろな記事を読んできましたが、まさに上水監督のコメントが全て。生きてこそ部活動。スポーツの遅れは取り戻せても、命は取り戻せない。

 

【4】「今は感染防止第一」~スポーツ庁長官の訴え~

新型コロナウイルスの感染拡大によってスポーツの現場に大きな影響が出ていることに関し「今は日本中、世界中のアスリートが一丸となって感染防止を第一に考えていくべきだ。国民とともに終息に向けて行動する時期だ」と訴えた。ナショナルトレーニングセンターなどが利用中止となり「選手強化の最後のとりでとして必死に守ってきたが、国民、アスリートの命、健康を第一に考えようということ」を強調。今夏のインターハイについては「健康で安全な状態になればスポーツ活動は継続できる」と話した。

河北新報 2020/04/09

これまでは、大会の延期や中止、いつ再開といった議論がスポーツ界の中心の話題でしたが、今は命や安全が第一。この訴えは、日本、いや世界共通の願い。

 

【5】「工夫凝らした部活始動」~岩手県内中学校~

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて休止していた岩手県内中学校の部活動が新学期に入って本格的に再開した。練習を続ける上で注意すべきことの一つが感染防止対策。各校は練習場の環境整備や選手同士の接触を極力避けるメニューなどの対策を講じている。

盛岡市の上田中学校剣道部では、3密を回避するために①対人稽古の極力回避、②送風機フル稼働、③全員マスク着用などのあらゆる方策を取った。

岩手日報  2020/04/10

例えば“対人稽古の極力回避”などはスポーツの競技性の面から見ると、違和感を覚える。しかし、そもそも部活動だから体を動かすのが目的だったり、仲間と楽しい時間を共有できることだったり、生涯スポーツの視点で見れば違和感は薄れてくる。自分がいかに勝利史上主義だったのかと改めて感じている。

 

【6】「どうなる県高校総体」~通常開催へ課題山積~

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、本県高校スポーツの一大イベント、県高校総体(5月19日開幕予定)の通常開催が困難になりつつある。生徒の健康と安全を確保した上で、練習の成果を発揮する舞台を設定することができるか。開幕が約1ヵ月後に迫る中、関係者は山積する課題に頭を悩ませている。また、本県で卓球(奥州市)、ハンドボール(花巻市、盛岡市)、ボクシング(釜石市)の3競技が行われるインターハイの開催も暗雲が漂い始めた。5月以降に予定されていたブロック大会が関東や東海など4地区で中止に。

県高体連は「目指す大会がはっきり見えないのは選手にとって厳しい。安心、安全を考えて早めに方向性をはっきりしたい」と話す。

岩手日報 2020/04/12

№3の記事続報。その他の新聞報道も高総体や中総体に関連する記事や関係者のコメントが日に日に厳しさを増しています。それだけ状況が深刻であり、現時点でのプレーヤーズファーストは命を守る戦いかも知れません。

 

【7】「待望の新ボルダリング場」~国際大会へ対応~

岩手県が盛岡市みたけの県営運動公園に整備していた新しいボルダリング場が完成し、リード、スピードに続きスポーツクライミングの全3種目がそろう国内有数の常設施設となった。国際大会が誘致できる水準で、選手らの練習環境も向上。4月27日から一般開放する。

岩手日報  2020/04/14

紫波町のオガールベースにある国際基準に対応したバレーボール専用体育館のような“ピンホールマーケティング”の理論。市場規模が小さいと理由で敬遠されがちなニッチな競技に特化した施設を作ることで、マーケットの拡大や地域の活性化に繋がることが期待されます。

 

【8】「奪われた集大成舞台」~コロナで県高校総体中止へ~

新型コロナウイルスは高校生アスリートの晴れの舞台も奪った。5月15日開幕予定の県高校総体の中止が事実上決まった。同ウイルス感染症拡大を受け、命の危険にさらすまいと下した苦渋の決断だ。部活動休止や活動時間の制限など試練の春を乗り越えようとしていた選手と指導者たち。感染者ゼロの本県で奇跡を願い最善を尽くしてきたが、思わぬ知らせに割り切れない思いが渦巻いた。

岩手日報 2020/04/15

№6の続報記事。心の中では薄々は分かっていたことではあるが、仕方ないという想いと、受け入れがたいという想いが交錯している選手と指導者に、今はかける言葉が見つかりません。

 

【9】「春季高校野球中止へ」~県高野連も県高体連と同調~

県高野連は5月15日開幕予定の春季東北地区高校野球県大会の中止を決めた。地区予選も実施しない。

 県高野連の大原理事長のコメントを抜粋

-開催を目指してきたが中止案が承認された-

「高校野球だけではないが、懸命に夢を追い、努力し続けてきた生徒たち。成果を表現する場を与えたいと思ってきた。センバツは中止となったが、それでも開催してあげられないかと可能性を探り続けた。中止を上回る理由が見つからなかった」

-岩手県は感染者ゼロだが、どのようなリスクが考えられるか-

「安心できるゼロではない。東北でも感染者が増え、感染経路も分からない。岩手は広大なので、移動や宿泊のリスクも伴う。地区予選のみの開催も考えたが、やはりリスクは大きい」。

 岩手日報 2020/04/16

14日の高総体中止を受けて春季高校野球も中止せざるを得ない状況に。競技団体は違えでもスポーツはスポーツだし、同じ岩手県の部活動であることから、現時点では中止以外の結論を見出すことは難しい。だだし、関係者の想いも充分に理解できます。

 

次回もお楽しみに!

今週はコロナ関連で大会開催などの対応に大きな動きがありました。感染者ゼロの岩手県ですが、“現状”は岩手県だけ特別なにかをできる状況ではないこと。

では、また!