Northern Rise 時事ネタオピニオン Vol.20

瀬川猛SC(スポーツコーディネーター)のスポーツ時事ネタ第20弾!

瀬川SC(スポーツコーディネーター)によるスポーツの時事ネタ紹介の第20弾をお届けします!

※9月19日から10月2日までの気になる時事ネタを日付順に掲載

目次

1.「プロ選手100人超輩出」~サッカー・流通経済大 中野監督~(全国版)

2.「野球女子 活躍続々」~軟式新人大会に10人 主軸任される選手も~(岩手県奥州市)

3.「島根で国内初」~公道カートレース~(全国版)

4.「前年下回る80万人」~県内スキー客 暖冬とコロナ影響~(岩手県)

5.「年度内に推進体制構築」~官民一体でスポーツ振興~(岩手県)

6.「グルージャ浮上いかに」~13位低迷 前半戦振り返る~(岩手県)

7.「盛岡大付3連覇」~連打に攻守、夏の雪辱~(岩手県)

【1】「プロ選手100人超輩出」~サッカー・流通経済大 中野監督~

サッカーJリーグの新人は大学出身が一番多く、今季は116人と3桁の大台に乗った。2000年代から育成目的のサテライトリーグが下火になり、大学から即戦力としてプロ入りする例が増加。流れをつくったのが流通経済大学の中野雄二監督だ。チームを強豪に育て、送り出したプロ選手は100人を超える。「プロではなく、人間を育てる」との方針が、高校まで無名の選手までも大きく伸ばしている。

技術指導はコーチ任せ。学生が力を出し切れる環境づくりに力を注ぐ。「やるか、やらないかでは悩まない。どうやるかを考える」との心意気は、迫力を感じさせる。

日本サッカー協会技術委員会などの要職を務める今も、朝5時から寮の台所に立つ。200人近い部員のために朝食の目玉焼きをつくり、言葉をかけて食事風景を見守る。サッカーのうまい、下手は二の次。しっかりあいさつができ、片付けができるとか礼儀作法に重きを置く。人間としての成長を見つめる視線は温かい。

岩手日報 2020/09/19

昭和から平成、平成から令和と時代が大きく変化する中で、スポーツ選手である以前に人間としての心構えを説く指導の本質がブレないからこそ、今もなお第一線で活躍されているのではないでしょうか。

【2】「野球女子 活躍続々」~軟式新人大会に10人 主軸任される選手も~

胆江地区中学校新人大会・軟式野球は19日、奥州市胆沢の胆沢野球場などで2日間の日程で始まった。女子選手が年々増え、今年は合同を含む9チームに計10人が参加。中軸を任される選手も出てきており、仲間とともに攻撃や守備、声掛けに精いっぱいのプレーを繰り広げている。

岩手日報 2020/09/20

過去のオピニオンで花巻東女子硬式野球部の記事を取り上げましたが、中学校の受け皿になる高校年代が充実する中、中学校で参加・活躍する選手が増加していることは非常に嬉しいことです。野球人口の低下、硬式クラブチームへの所属が増加したことで、結果的に女子選手の活躍の場が部活動に巡ってきたことはポジティブに考えるべきではないでしょうか。どうしても体格差が出やすい中学校年代で、野球を一度諦めてしまう女子選手もいることから、部活動の存在意義を改めて考えさせられています。

【3】「島根で国内初」~公道カートレース~

島根県江津市の中心部で20日、住民有志らが国内初の公道カートレース大会を開催した。車体を接触させながら競り合う国内トップドライバーら11人に、沿道の観戦者や運営ボランティアが拍手や声援を送った。大会実行委員会は、F1レース解説で知られる森脇基恭さんを招き、予選から決勝まで動画投稿サイトのユーチューブで生中継。関係者は、同様の取り組みが各地で広がることを期待していた。

岩手日報 2020/09/21

公共資産と言えば、建物に目が行きがちですが、もっとも身近な公共資産と言えば、目の前にある道路ではないですか。その資産を上手く活用している最たる例。F1サーキットを造ることは難しいかも知れませんが、目の前の道路をF1サーキットに変えてしまう発想こそがこれからの自治体経営に必要ではないかと考えさせられる取り組みです。

【4】「前年下回る80万人」~県内スキー客 暖冬とコロナ影響~

県は、2020年シーズン(19年11月~20年4月)の県内スキー客の入り込み状況をまとめた。暖冬による雪不足で営業開始が遅れたことに加え、新型コロナウイルスの影響によりスキー客が減少し、前シーズンを6万4194人下回る80万7913人となった。前シーズンを下回ったのは16年以来4シーズンぶりとなる。

本県のスキー客の入り込み数は、1992年シーズンの372万2798人をピークに減少傾向が続き、さらに東日本大震災の影響で大幅に減少。14年シーズンは震災以降初めて100万人を超えたものの、16年シーズンには76万1952人に減った。17年シーズン以降は80万人台となり、年々増加となっていた。

岩手日日 2020/09/23

暖冬、コロナと予測不可能な要素でありますが、スキー人口の減少、施設の老朽化の進行などスキー場を取り巻く環境は、より一層厳しい状況にあります。雪国で生まれ育った人間として身近にスキー場がある当たり前の環境がなくなることは受け入れがたい事ではありますが、それが現実になる日も遠くないかも知れません。

【5】「年度内に推進体制構築」~官民一体でスポーツ振興~

県スポーツ推進審議会は24日、盛岡市内で開かれ、県は官民一体による推進体制の構築を進めている「いわてスポーツ推進プラットフォーム」について、2020年度内に設置する方針を示した。

プラットフォームは、県民計画第1期アクションプランで、文化・スポーツレガシープロジェクトの一環として盛り込まれている。体制としては、県北、沿岸、県南の広域圏へサテライトを設置し、スポーツを楽しめる環境整備をはじめ、スポーツ医科学の強みを生かしたアスリート育成や県民の健康増進に向けた取り組みを推進、市町村と連携した特色あるスポーツ拠点づくりの推進などを目的としている。さらに、スポーツコミッション機能を備え、スポーツツーリズムによる交流人口やスポーツビジネスの展開などによる地域活性化にも取り組む。

岩手日報  2020/09/25

岩手のスポーツのもつポテンシャルを最大限に引き出す取り組みであることを切に願っています。県(行政)は民業圧迫とならないよう、スポーツビジネスを生業にできるような人材、環境を作ることで、改めてスポーツの魅力向上を図ってほしいと期待しています。

【6】「グルージャ浮上いかに」~13位低迷 前半戦振り返る~

サッカーの明治安田生命J3は前半戦が終了した。いわてグルージャ盛岡は5勝3分け9敗の勝ち点18で18チーム中13と低迷している。苦戦が続いた前半戦を振り返る。

昨年10月、チームの運営会社が大手企業の傘下に入り、今季に向けて積極的に補強を行った。新監督に秋田氏を迎え、J1、J2から有力選手を獲得。4人のブラジル人選手も加わった。新型コロナウイルスの影響で開幕が約3か月半遅れた。県内では感染者が確認されなかったため、グルージャは集合練習を継続できた。コロナ禍で活動自粛を強いられたチームに比べると、シーズン前の環境は恵まれたはずだった。

だがシーズンが始まると、最下位に沈んだ昨季をなぞるような戦いぶり。J2昇格圏の2位熊本と勝ち点で20もの差が開いた。シュートの精度や守備の立て直しなど課題は山積している。

岩手日報 2020/09/26

この記事の2日後の28日、Jリーグから2021シーズンのJ2クラブライセンスが付与されることが発表されました。記事の指摘は厳しいものですが、これも県民の期待の表れと捉えて、後半戦の浮上に期待しましょう。

【7】「盛岡大付3連覇」~連打に攻守、夏の雪辱~

第73回秋季東北地区高校野球岩手県大会は、盛岡大付高校の優勝で幕を閉じました。

岩手日報 2020/09/28

優勝:盛岡大付、準優勝:一関学院、第3位:花巻東と私立の強豪3校が東北大会にコマを進める結果になりました。

ここでは9月17日に掲載された出場校29校メンバー紹介から大会結果とは違う筆者独自の視点で高校野球を分析してみました。

①参加校の内訳(公立:23校、私立:6校)

②選手登録の内訳(20人登録;19校、19人~15人登録:7校、15人未満:3校)

③出身地域の内訳(市内、県内、県外の出身者の割合。以下の図を参照)

  ※市内とは、参加校の地域にある中学校出身者の割合を指します。

この結果から、参加校全体では市内、県内出身者の割合が多いものの、ベスト8、ベスト4と大会が進んでくると、市内出身者の割合が低下し、県外出身者の割合が増加します。当然、私立の強豪校には県内の有望選手のほかに県外から有望選手が入学する傾向にある訳ですから当然と言えば、当然の結果かも知れません。

その中で登録選手のほとんどを市内の出身者で構成する公立の花巻農がベスト4に入ったことは評価すべき点ではないでしょうか。

これまでのオピニオンでも訴えてきたことですが、甲子園出場、○○大会優勝という結果だけが評価されるのではなく、そのチームにあった目標や評価基準があってもいいのではないでしょうか。

次回もお楽しみに!

今週の最後は大会結果を独自の視点で分析してみましました。機会があればまた違う競技でも分析してみたいと思います。

では、また!