Northern Rise 時事ネタオピニオン Vol.22
瀬川猛SC(スポーツコーディネーター)のスポーツ時事ネタ第22弾!
瀬川SC(スポーツコーディネーター)によるスポーツの時事ネタ紹介の第22弾をお届けします!
※10月17日から10月30日までの気になる時事ネタを日付順に掲載
目次
1.「起こせ もりしん旋風」~部員12人で全国切符 大卒そろえレベル向上~(岩手県盛岡市)
2.「70代女子体力最高」~スポーツ庁19年度調査30~40代は低迷~(全国版)
3.「飛び込みプール存続を」~県内唯一の施設廃止へ~(山形県米沢市)
4.「来春のセンバツ出場」~花巻東にも可能性~(岩手県花巻市)
5.「部活遠征で83人処分」~車に生徒乗せ条件付き容認へ~(鳥取県)
6.「一関学院が26連覇・盛岡誠桜が14連覇」~高校駅伝県予選会~(岩手県版)
7.「松本(花巻東高)日ハム育成1位」~プロ野球ドラフト会議~(岩手県花巻市)
【1】「起こせ もりしん旋風」~部員12人で全国切符 大卒そろえレベル向上~
「県内球児の受け皿でありたい」。社会人軟式野球の天皇賜杯第75回全日本大会に本県代表の盛岡信金が8年ぶりに出場する。新型コロナウイルス感染症の影響で本年度唯一の全国大会。高校時代は岩手大会を沸かせ、全国の大学でさらに成長した12人が日本一を目指す。
1949年創部で、今年で71年目の伝統あるチーム。同大会は14度目の出場と本県軟式球界をけん引する。現在は部員12人とチームを取り巻く環境は厳しい。
勝利の要因はプレーの質の向上だ。以前は高卒の選手が多かったが、現在は全員が大卒でさらに技術を磨き、細かいプレーに対する意識の高い。盛岡市の専用グラウンドや県営球場室内練習場で週6日練習に励み、普段からサインプレーを徹底する。
岩手日報 2020/10/17
岩手県野球連盟のHPで社会人野球のチーム登録数(平成30年度)を見ると、A級22、B級42、C級212で前年比▲20チーム減となっています。競技人口の減少により相対的に社会人野球を取り巻く環境は厳しいと思いますが、幅広い年齢層の野球愛好者が生涯スポーツとして、いつでも、どこでも、誰でも参加することができる社会人野球の発展と、全国での「もりしん」の健闘を期待します。
【2】「70代女子体力最高」~スポーツ庁19年度調査30~40代は低迷~
スポーツ庁は18日、2019年度体力・運動能力調査の結果を公表した。体力テストの結果を点数化した合計点が70代女性で過去最高になるなど、高齢者の体力向上が鮮明になった。子どもの体力は横ばいか上向きだった一方、30~40代女性は下降傾向で、世代によって差が出た。同庁は「高齢者の健康志向が高まり、体を動かす機会が多いことが影響しているのではないか」としている。
岩手日報 2020/10/19
スポーツ庁のHPを拝見していると、「青少年の運動・スポーツへの実施率」と項目があり、令和元年度の状況を前回の東京オリンピック開催後の昭和43年度を比較しており、どの年齢においても高い値を示しているが、特に、小中学生の女子での変化が顕著であるとの結果。選択肢の少ない時代は好きか・嫌いか、得意か・不得意かで二極化していたよう気がしますが、スポーツの多様化や部活動改革が進んでいる現在では、自分にあったスポーツを選択肢できることが実施率の向上につながっているのではないでしょうか。
【3】「飛び込みプール存続を」~県内唯一の施設廃止へ~
米沢市が市営プール内にある水泳競技の飛び込み用プールを廃止する方針を示し、市内の競技団体や東北の関係者に衝撃が広がっている。利用が少ない割に費用がかさむため、削減計画の対象になった。山形県内唯一の施設として選手育成や大会開催に貢献してきただけに、関係者は「廃止さされば、東北全体の飛び込み競技にとっても損失は大きい」と存続を訴える。
市は「他施設と比べて維持経費に対する利用者数が少なく、廃止候補になった。関係団体に説明し、理解を得たい」と話す。
関係者は「マイナーだからと施設をなくせば、子どもたちが競技を選べる環境がなくなる」と不安を漏らす。
河北新報 2020/10/19
よく公共施設再編で言われる「民間にできるものは民間に」とのフレーズを耳にするが、スイミングクラブのようにある程度の会員が見込まれるスポーツは良いと思うが、関係者が口にする“マイナー”スポーツを同じように考えていいものだろうか。また、広大な東北地方において、地域的な事情を加味すると判断が難しい案件である。市側に苦しい財政事情があると思うが、丁寧な話し合いの重ねて頂くことを切に願う。
【4】「来春のセンバツ出場」~花巻東にも可能性~
秋季東北地区高校野球大会の結果は来春の選抜大会の選考材料となる。2校の東北地区は通常は優勝、準優勝校が選出されるが、決勝で大勝した仙台育英に準決勝で0-1と接戦を演じた本県第3代表の花巻東にも、わずかながらセンバツの可能性が浮上した。
過去に準優勝校が選出されなかった例は5度あり、そのうち3度は同一県で決勝を争った。ただし、直近の同一県勢決勝は両校が選ばれている。
今大会の柴田高は、決勝で大敗したとはいえ、青森、福島、山形の第一代表を破っている。
岩手日報 2020/10/21
柴田高は決勝でエースが球数制限のため、19球しか投げられないため先発を回避。公立はどうしても選手層が私立に比べて薄くなるため、長丁場の大会は厳しいものになる。やはり、選考基準が明確でないからこそ、このような議論が巻き起こるのであって、今こそ明確な選考基準を示す時期ではないのだろうか。
【5】「部活遠征で83人処分」~車に生徒乗せ条件付き容認へ~
鳥取県教育委員会は、県立高の教員が部活動の遠征の際に県教委の内部規定に違反して生徒をマイカーやレンタカー、マイクロバスに乗せるなどした事例が12校で計275件あり、教員83人を訓告や口頭厳重注意の処分にしたと発表した。うち223件は、県教委が公務とみなしていない練習試合などでの違反。「公務外」のケースは車の使用を一律に禁じていたが、今回の事態を受けて条件付きで認める方針を打ち出した。
県教委によると、違反した教員のほとんど「生徒の負担を軽くするためだった」などと説明している。
岩手日報 2020/10/22
衝撃的な記事でしたね。規定違反であるにせよ、公表しての処分まで必要だったのだろうか。公式戦が公務で、練習試合や遠征が公務外と見なされること自体が問題ではないだろうか。昨今は過度な部活動が問題視されているが、一方で選手のみならず先生の適切な指導環境を整えることも必要ではないのか。
【6】「一関学院が26連覇・盛岡誠桜が14連覇」~高校駅伝県予選会~
全国高校駅伝の県予選会は、花巻市の日居城野運動公園陸上競技場を発着点とするイーハトーブ花巻ハーフマラソンコースで行われ、男子は一関学院が26年連続30度目の栄冠をつかんだ。女子は盛岡誠桜が14年連続14度目の優勝を果たした。
岩手日報 2020/10/23
まずは両校の皆さんおめでとうございます。ここで注目すべきは連続優勝の回数。
それでは県内の連続優勝記録を調べてみましょう。ただし、令和2年度は高総体予選が中止となったため、表示される記録は令和元年度までのものになります。
第3位は同率で水球男子の黒沢尻工業と、ハンドボール男子の不来方の22連覇
第2位は新体操男子の盛岡市立の24連覇
そして、第1位は高校駅伝男子の一関学院の25連覇(今年で26年連覇)
お隣の秋田県では記録は途絶えてしまいましたが、バスケットボール男子の能代工業が47連覇を達成しています。
そんな中で競技や県が違えども一関学院と盛岡誠桜の連覇は偉大な記録であり、全国での上位進出を期待しています。
【7】「松本(花巻東高)日ハム育成1位」~プロ野球ドラフト会議~
プロ野球ドラフト会議が26日、東京都内で行われ、本県関係ではNTT東日本の佐々木健投手(富士大出)が西武から2位、青森山田高の川原田純平内野手(花巻中出)がソフトバンクから4位、花巻東高の松本遼大投手が日本ハムから育成1位で指名を受けた。
岩手日報 2020/10/27
昨年は大船渡高の佐々木朗希投手が4球団競合の末、ロッテから1位を受けるなど4名の本県関係がドラフト指名を受けています。2009年の菊池雄星投手から足かけ12年連続で本県関係の選手がドラフト指名されています。このオピニオンでも数々のアマチュア野球や審判員を特集してきましたが、まさに本県の野球レベルが上がったことを証明しているのではないでしょうか。
次回もお楽しみに!
高総体・中総体は残念ながら中止になりましたが、各競技で全国を目指す大会や新人戦が開催されています。徐々に昨年までの日常を取り戻しつつあるスポーツ界。まだまだ見逃せないスポーツの秋が続きそうです。
では、また!