Northern Rise 時事ネタオピニオン Vol.23

瀬川猛SC(スポーツコーディネーター)のスポーツ時事ネタ第23弾!

瀬川SC(スポーツコーディネーター)によるスポーツの時事ネタ紹介の第23弾をお届けします!

 

※10月31日から11月13日までの気になる時事ネタを日付順に掲載

 

目次

1.「専大北上が決勝進出」~女子サッカー東北大会 県勢初の決勝へ~(岩手県北上市)

2.「本県関係4選手に戦力外通知」~プロ野球契約更新~(岩手県版)

3.「部活広がる任意加入」~県内の中学校~(岩手県県版)

4.「県内で野球肘検診の動き」~スポ少交流大会、毎年実施~(岩手県盛岡市)

5.「遠野2年ぶりV」~高校サッカー~/「黒沢尻北が花園へ」~高校ラグビー~(岩手県版)

6.「浜のワンチーム」~宮古高、宮古商工高ラグビー部~(岩手県宮古市)

7.「きょうだい審判 陸上支え」~選手から志し、期待の20代~(岩手県住田町)

【1】「専大北上が決勝進出」~女子サッカー東北大会 県勢初の決勝へ~

サッカーの全日本高校女子選手権東北大会は31日、宮城県松島町で準決勝が行われ、本県第一代表の専大北上が常盤木学園(宮城第2)と対戦し、2-2からのPK戦を5-4で制して県勢初の決勝進出を果たした。また、5年連続5度目の全国大会出場も決まった。

長年にわたり決勝進出を独占してきた宮城県勢の牙城を専大北上のパスサッカーが打ち破った。昨年まで4年連続の全国出場とはいえ、宮城県勢に勝てなかった。常盤木学園は全国選手権最多の5度の優勝を誇る強豪校。

岩手日報 2020/11/01

東北の女子高校サッカーと言えば、常盤木学園か聖和学園が2強として、東北のみならず全国屈指の強豪校として知られています。PKとは悲願の宮城県勢撃破はチーム目標である全国ベスト4に向けて大きな弾みになると思われます。専大北上男子サッカーも決勝進出を決めており、昨年に続くアベックでの全国出場も現実味を帯びてきました。

 

【2】「本県関係4選手に戦力外通知」~プロ野球契約更新~

2014年ドラフト2位でヤクルト入団の風張蓮投手(27)=伊保内高出=、2015年ドラフト1位で西武入団の多和田真三郎投手(27)=富士大出=、2017年育成ドラフト1位で巨人入団の比嘉賢伸内野手(20)=盛岡大付高出=、2019年ドラフト1位で巨人入団の堀田賢慎投手(19)=花巻北中出=の4選手と来季の契約を結ばないと通知したと発表した。

なお、多和田投手、堀田投手に対しては育成選手として再契約することを示唆している。

岩手日報 2020/11/03,04

NPBの公式サイトをみると、2019年の戦力外/現役引退選手の平均年齢は28.4歳、平均在籍年数は8.2年、対象選手は127人となっています。一方、2020年のドラフト指名選手は123名。つまり入団する選手がいるだけ、退団する選手も同じようにいる厳しい世界であることを忘れてはいけません。

なお、戦力外選手のうち98人(77.1%)が野球関係、29(22.8%)野球関係外の進路となっています。

 

【3】「部活広がる任意加入」~県内の中学校~

中学校の部活動の任意加入を認める動きが県内で徐々に広がっている。10月末時点の岩手日報社の調べでは、部活動の方針について、国のガイドラインに沿って、県教委と県内23市町村教委が「自主的・自発的な参加」を盛り込み改定。残る10市町村教委でも検討が進む。生徒が校外活動に参加しやすくなる一方、従来の原則全員加入からの転換で部員数減少による部活動運営への懸念もある。県教委や学校現場は社会情勢に合わせた部活動を模索する。

県教委の2019年度調査によると、任意加入とする公立中学は157校中4校のみ。同調査での20年度の任意加入予定は150校中28校と増えたが、取り組みは始まったばかりだ。

少子化や生徒の活動の多様化で、小規模校も、都市部の比較的規模が大きい中学でも部活の縮小や運営の困難が見られる。盛岡市教委では「団体競技の部活が厳しい状況であり、任意加入で拍車がかかるかもしれない」と懸念し、「指導や大会の在り方など、部活動を取り巻く地域や社会も変わる必要があるのでは」と問いかける。

岩手日報 2020/11/06

まさに部活動改革に待ったなし。5年先、10年先の問題ではなく、今の子供たちの喫緊の問題と考え、みんなで知恵を出していかなければならない分岐点に来ているのではないでしょうか。他県の例を見れば部活動改革に真剣に取り組んでいる学校がいくつもある。ぜひ、国・県の指示を待つだけではなく、現場からも勇気ある改革が進むことを切に願う。

 

 

【4】「県内で野球肘検診の動き」~スポ少交流大会、毎年実施~

県内で野球に取り組む子どもたちの肘のけがを予防する動きが広まっている。盛岡市で10月中旬に行われたスポ少の「姫神杯交流大会」では、試合だけでなく野球肘の検診を毎年行っている。大会に参加した約200人の児童が検診を受けた。小型のエコーなどを使って診断。障害が発生した初期は痛みや自覚症状が無いが、痛みを感じる頃には治療が長期になることもあり、定期的な検診が重要と指摘されている。

岩手日報 2020/11/07

肘手術の第一人者・古島医師(群馬・慶友整形外科病院)のインタビュー記事が岩手日報(11/7)に掲載されていましたので、ポイントを紹介

・小学生に対して「いろいろポジションを経験することと投げさせすぎないこと。野球ばっかりでなく他の運動にも取り組み、運動神経を良くする」

・中学生に対して「投げさせすぎないことは大事。長時間の練習はしない方がいい。成長期で背が伸びる時期なので、あまり練習しなくてもけがをしてしまう年代だ」

・高校生に対して「けがをさせないことを第一に考えることは同じ。甲子園で何百球の熱投などが美談として取り上げられ、感動ありがとうというのは疑問だ。注目されている選手がいる一方、何倍ものけが人がいる」

・岩手から剛速球投手を輩出している背景にあるものは「冬に投球しないこと。つまり休息の重要性だ。コロナで部活動が休みになり、球速がアップした選手がいる。たまっていた疲労が休んで抜けたからだ。身長が伸びた子どもがいた。睡眠は身長に影響しやすい。分かっていたことだったが、こういう世の中で顕著になった」

 

【5】「遠野2年ぶりV」~高校サッカー~/「黒沢尻北が花園へ」~高校ラグビー~

第99回全国高校サッカー選手権県大会は、盛岡市いわぎんスタジアムで決勝が行われ、遠野が1-0で専大北上を下し、2年ぶり29度目の全国切符をつかんだ。

第100回全国高校ラグビーの東北ブロック代表を決めるオータムチャレンジトーナメントは、宮城県石巻市の石巻フットボール場で決勝が行われ、黒沢尻北が31-14で男鹿工(秋田)を下し、6大会ぶりの6度目の花園切符を手にした。

岩手日報  2020/11/10

・高校サッカーは決勝らしい慎重な戦いになりましたが、遠野は5バックシステムを採用し、粘り強い守備と豊富な運動量を武器に少ないチャンスをものにし、最後まで集中力を切らさずに王座奪還。

・高校ラグビーは黒沢尻北が堅守速攻のスタイルで東北最後1枠を獲得し、県勢2校同時の全国出場は1971年以来49大会ぶり快挙。

 遠野高校、黒沢尻北高校、そして県大会優勝の盛岡工業高校(高校ラグビー)の全国で活躍を期待しています。

 

【6】「浜のワンチーム」~宮古高、宮古商工高ラグビー部~

宮古市の宮古高と宮古商工高のラグビー部が初の連合を結成した。3年生が引退し部員不足の宮古高に、一緒に練習を重ねてきた宮古商工高が「ワンチーム」をオファー。来シーズンの花園を目指して15人制ラグビーの戦術や技術の向上にこだわり、地元で開催される県新人大会で飛躍を期す。

岩手日報 2020/11/12

記事に中で「ルール上、仮に連合チームで来年秋の県大会を制しても全国大会には出場できない」との事。これまでのルールはその通りでしょうが、地方の部活動を取り巻く現状を考えれば如何なものでしょうか。特に15人制ラグビーや、11人制サッカーなど大人数を必要とするチームスポーツは今後益々、部員確保が厳しくなることを考えれば、連合チームが全国大会に出場できないのは時代にあっていない気がします。

 

【7】「きょうだい審判 陸上支え」~選手から志し、期待の20代~

住田町在住で、在学中に地元で陸上競技に打ち込んだ佐藤3兄弟が、日本陸連の公認審判員として本県の陸上競技を支えている。少子化高齢化が進み本県の審判員も減少を続ける中、貴重な若手として活躍を期待されている。

岩手陸連によると本県の公認審判員は約450人。若手が増えず、高齢者に頼るのが現状で年々少しずつ減っている。陸上競技は多種目が同時に実施されるため、小規模大会でも数十人、大規模大会では300人超が必要とされる。

岩手日報 2020/11/12

過去のオピニオンでは野球の審判員に着目し、世代交代が進んでいる印象をもっていましたが、陸上競技では厳しい現状のようです。野球やサッカーに比べて審判員を取り上げる機会も少ないことから、本オピニオンでも競技面だけでなく、運営面などに少子高齢化がもたらす影響などを取り上げていきたいと思います。好ゲームの裏側には必ずナイスジャッジがあることを忘れてはなりません。

 

次回もお楽しみに!

寒さが厳しい時期になっていますが各年代では県新人大会が開催され、熱い戦いが続いています。まだまだ見逃せない戦いが続くスポーツの秋を満喫しましょう。

では、また!