Northern Rise 時事ネタオピニオン Vol.28

瀬川猛SC(スポーツコーディネーター)のスポーツ時事ネタ第28弾!

瀬川SC(スポーツコーディネーター)によるスポーツの時事ネタ紹介の第28弾をお届けします!

岩手県を中心としたスポーツや部活動に関する時事ネタの中から気になるものをセレクトし、私的な見解でコメントしています。

大会結果などの競技面だけではなく、社会面や地域の話題などにも着眼しています。

※1月30日から2月12日までの気になる時事ネタを日付順に掲載

 

目次

【目次】

1.「ラグビーのまち構想実現へ連携」~市と東京の企業協定~(岩手県釜石市)

2.「医療基盤の違い影響」~冬季国体、判断分かれる~(秋田県)

3.「一関のコロナワクチン集団接種」~会場巡り広がる余波~(岩手県一関市)

4.「盛岡南と不来方の統合新設校」~県教委が構想を初提示~(岩手県版)

5.「貫いたカット打法」~帰郷し第二の野球人生~(岩手県奥州市)

6.「エースの欠端ら熱闘」~ゴールボール女子日本代表が紅白戦~(岩手県二戸市)

7.「OBの胸借り集大成」~盛岡大付高柔道部3年生が記念試合~(岩手県盛岡市)

 

【1】「ラグビーのまち構想実現へ連携」~市と東京の企業協定~岩手日報

釜石市は、コンサルティング会社フューチャーセッションズ(東京)と包括連携協定を結んだ。同社が得意とする対話の場づくりを生かし、スタジアム運営方法の検討や地域課題解決など、スポーツを生かしたまちづくりを推進していく。

岩手日報 2021/01/30

釜石市ではYouTube公式チャンネルに「ラグビーのまち釜石」を開設し、定期的な動画配信を行うなど、2019ワールドカップの試合会場である“釜石鵜住居復興スタジアム”を活用したまちづくりに力を入れています。

釜石市の最強コンテンツの一つであるラグビーの価値を高め、スポーツによるまちづくりの成功事例となる取り組みに注目しましょう。

 

【2】「医療基盤の違い影響」~冬季国体、判断分かれる~

秋田県で実施予定だった国体のスキー競技会が中止となった。緊急事態宣言が出ている愛知、岐阜の両県で1月下旬に予定通り実施されたスケート、アイスホッケー競技会とは判断が分かれた形だ。コロナ禍の中、医療体制の基盤が弱い地方での大会開催の難しさが浮き彫りになった。

岩手日報 2021/02/02

前回のオピニオンで取り上げた国体関連の話題。

先週は感染者が少ない地方だからこその参加リスクを指摘したが、今週は医療基盤の弱い地方だからこそ市民感情に配慮する必要がある。

冬季大会は開催会場が限定され、代替えが困難な競技も多いことから、夏季大会とは違った難しさがあるのではないか。

 

【3】「一関のコロナワクチン集団接種」~会場巡り広がる余波~

一関市が4月から12月まで進学コロナウイルスのワクチン集団接種の会場候補に市総合体育館を押え、この期間にスポーツ大会を予定していた競技団体が急きょ、代替会場探しに追われている。命に関わる感染防止の余波とあって、利用ストップも「仕方がない」との受け止めが大勢だが、他市町村でも大型施設を摂取会場に回すケースが相次げば、会場が見つからない事態も。同市では秋までに三つの選挙が控えており、市選管も開票所探しに頭を痛めている。

岩手日報 2021/02/05

5月からは高総体、6月からは中総体が開催予定ではあるが、国では4月から高齢者のワクチン集団接種を1クール2か月以内で行うように動いており、高齢者人口が多ければ、当然期間も長くなる。

記事にあるように、集団接種に適した会場は大規模公共施設、総合体育館は当然有力な会場候補となる。

総合体育館クラスは年間で利用調整が行われており、既に大会で日程が埋まっているのがほとんどではないか。

ここで重要なことは、ワクチン接種部門、施設部門、教育部門が縦割り的な調整を行うのではなく、横断的な調整による最適解を見出すことが市民への答えではないのか。

 

【4】「盛岡南と不来方の統合新設校」~県教委が構想を初提示~

県教委は、2025年度に統合する盛岡南と不来方の新設校の学びの構想を初めて提示。人文・理数、芸術、外国語、体育の四つの系統の学びを連携させ、現代社会や地域課題解決を目指す取り組みを説明した。2学級となる体育系の教育は、課題研究などに取り組む盛岡南の「盛岡南スポーツ学」を継承。生徒が授業を選択できる単位制の導入も視野に入れる。

岩手日報 2021/02/06

県内屈指のスポーツ強豪校で知られる両校の統合。筆者が注目したのは両校の特色が統合に生かされ、魅力ある学校として生まれ変わるのか。

記事で紹介されている「盛岡南スポーツ学」は2020年度からスポーツコーチングやマネジメントの講座、スポーツ医学検定などに取り組み、生涯スポーツに携わる人材の育成を図っており、競技力の向上に加え、“支える側”の視点も重視していること。

競技だけに着目せずあらゆる面で望ましいスポーツの学びの場になることを期待したい。

 

【5】「貫いたカット打法」~帰郷し第二の野球人生~

2013年の高校野球、夏の甲子園大会で4強入りした花巻東の「2番・中堅」として活躍した千葉翔太さん(奥州市)が第二の野球人生を歩もうとしている。あの夏、157㌢の小柄な左打者は巧みなバットコントロールで大活躍。ファウルで粘る「カット打法」は議論を呼んだ。卒業後はプロを目指し大学と社会人でプレーを続けたが、夢はかなわなかった。昨年末で第一線を退いて帰郷し「野球で地元に貢献したい」と新たな活躍の場を探している。

岩手日報 2021/02/07

甲子園で千葉さんのカット打法が高校野球の特別規則に抵触する可能性があると指摘され、物議を呼んだことは県内、全国の高校野球ファンには記憶に残る出来事。

千葉さんはインタビューで野球が嫌いになったことないかの問に「ずっと大好きなまま。燃え尽きたこともない。改めて野球の楽しさを多くの人と共有したい」と語っています。

プロになるという夢はかないませんでしたが、あの出来事があっても野球が好きであり続ける千葉さんの姿こそがスポーツ通じた人間性育成の大切を物語っているのではないでしょうか。

 

【6】「エースの欠端ら熱闘」~ゴールボール女子日本代表が紅白戦~

ゴールボールのジャパンパラ大会が開幕し、元プロ野球選手の欠端光則さん(二戸市出身)の長女の欠端瑛子さん(セガサミーホールディングス)ら日本代表が紅白戦を行った。エースの欠端は「やってきた練習の成果は出せた」と話した。
パラの代表内定選手は既に発表されているが、変更の可能性もある。市川監督は「1年の延期でチーム内のパワーバランスが変化している。今大会でベテランの奮起、若手の伸びを見たい」と説明した。

岩手日報 2021/02/07

筆者も欠端さんに関する過去の記事を回顧録し、欠端さんのゴールボールとの出会いやパラスポーツへの思いを紹介します。以下、新聞記事より抜粋

欠端さんは生まれつき先天性白皮症の影響でドッジボールの球がよけられないなど球技が苦手になり、体育の授業は見学が多く、小学生、中学校と進むにつれスポーツが嫌いになったという。高校2年でゴールボールを始め、競技を通じて「見えなくても楽しめるスポーツがあるんだって。やってみると面白かった」と。現在はパラスポーツの知名度が上がってほしい。スポーツが怖いと感じる人にも、やってみたいと思えるきっかけになってほしい」と語っています。

欠端さんの記事を回顧録しスポーツの魅力、スポーツの意義を改めて感じています。

 

【7】「OBの胸借り集大成」~盛岡大付高柔道部3年生が記念試合~

盛岡市の盛岡大付高柔道部と同部OB会は同校で記念試合を行った。新型コロナウイルス感染症の影響で各種大会が中止となり、悔しい思いをした3年生の成長を刻む場を設けようと、OB会が協力。生徒は高校3年間の成果を先輩たちにぶつけた。
3年生ら同校柔道部は2019年11月の全国高校選手権県大会で7年ぶりに団体優勝したが、コロナの影響で20年の全国大会が中止に。県高校総体も中止され、3年生にとっては同選手権東北大会(20年1月)が最後の公式戦となった。

岩手日報 2021/02/08

柔道部はコロナの影響を大きく受けた競技ではないか。

約1年間公式戦ができない中で他の競技にはない悩みも多かったのではないか。

最後に3年生の集大成の場を用意した関係者の皆さんの思いと勇姿は3年生と後輩たちの胸に刻み込まれたに違いありません。

3年生の皆さん、お疲れ様でした。

 

次回もお楽しみに!

柔道の話題と言えばもう一つ。

当Northern-Riseで理事であり、現富士大学柔道部の監督を務める平嶋孔輝(花巻市:アグリズム代表)が、体重無差別で争う柔道の第43回県段別選手権4段で優勝し、3月に福島県で開催される全日本選手権東北大会に出場することになりました。

優勝おめでとう平嶋、東北大会での健闘を期待しています。

 

それでは、次回のNorthern Rise 時事ネタオピニオンをお楽しみに!